新素材開発事業部 女性市場開拓セクション
プロダクト・トタンナー 篠原亜鉛

トタンを塗る腕の魅力。

人を惹き付けるもの、それは魅力というもの。
私がトタン機構に参加したのも会長のおもしろ発言連発はもちろんのこと、東北のトタン屋根のカラフルさに、胸を射抜かれたからである。
日常仕事でも女性市場に関して研究する事が多いが、
そんな会社のデータに基づいたマーケを全て吹っ飛ばすくらい、「かわいい!!」その色は、私の中で、エビちゃんを越えていた。
倖田○未をも越えていた。


しかしそんなカラーをさらに越えて、女子心をくすぐった深い魅力がトタンにあるということに私はそのとき気づいていなかったのだ。

2006年9月某日。
機構メンバーとともに仕事後夜中に会社から東京駅へ直行し、深夜バスに乗り込み岩手県雫石へと向かった。
会長の熱心なアピールにより、興味を示してくださった「雫石応援マガジンtan-tan」の編集部の方々、そしてカメラマンの奥山氏を訪ね、実際にトタンを塗りにいったわけだ。


会社から直行のボロボロな姿で感じたこと。
それは「生活をするということ」「生きるということ」。

何でも買って、飽きたら捨てて。 そんな東京でのコンクリートジャングルの生活では完全に忘れてしまっていた「人や生活にまっすぐ向き合う姿勢」がそこにはあった。

何が本当に大切で、何が幸せか。
生活をつくること、生きるという事を実践しているその腕は とても大きく、広く、強く、しなやかで、愛に満ちていたのだ。

トタン屋根を塗る、私たちの腕は、まだまだそんな深さはなかった。 奥山さんの腕はそれを物語っていたように感じた。

二の腕の全てが輝いていた。

奥山さんのとる写真が澄んでいるのはその腕が、心のフィルターがきっとものすごく澄んでいるのだろう。


誰かを思いやる事、誰かの為にすること。
生活をしていくということ。
そこに必要なことは、きっととても少しの事なのだ。

なにはともあれ、奥山さんの二の腕は、広く、愛に満ちていた。



※写真・・・奥山さんの二の腕に支えられた愛犬さくらちゃん。



■プロフィール

シノハラアエン・・・武蔵野荒野美術大学造形学部卒。某メカメーカーにてトタンのかわいらしさの魅力と、それを支える男達の魅力に日々翻弄されながらコンクリートジャングルにて妄想しながら、ちっさいメカをデザイン中の悩めるOL。基本、見た目が実年齢+3歳である。